矯正歯科で行われる治療は、その人の年齢や歯の状態によって異なります。子どもの場合は顎の成長に合わせた治療を行うケースも多いのですが、一般的にはブラケットと呼ばれる器具で徐々に歯を動かすことによって歯並びをきれいにしていきます。最近は歯の表面に付ける器具だけでなく、見えないように裏側に付けたり、透明のマウスピースを使うなど見た目にも配慮した器具が増えてはいますが、基本的には一日中、もしくは一日の大半器具を装着し、少しずつ歯に力を加えることによって数年かけて歯を移動していくものです。骨の新陳代謝を利用するため、どうしても期間は長くなりますが、かなり歯並びが悪い状態でも治療することで歯並びはほぼきれいになります。程度によっては一日数時間の装着でよいマウスピースで治せることもあります。
数年かけて歯を予定の位置や向きに動かした後も、しっかり定着するまでは数年かけて別の器具などを使ってフォローが必要です。それも含めると矯正歯科での治療期間はさらに長くなりますが、しっかり定着させた歯は、基本的には生涯戻ることはありません。治療の年代によっては多少戻ることもありますが、それでも治療前に比べるとずいぶんきれいです。
その他、短期間どうしても歯並びをきれいにしたいという場合は、矯正歯科によっては歯を部分的に削って、必要な個所をセラミックなどで補修することで見た目をきれいにすることもできます。ただし、骨格そのものには全く作用しない治療ですので、すべてのケースに適用できるわけではありません。